引越したら特許庁へ

引越ししたら特許庁・・・ではなくて最初は区役所でしょうか。

引越ししたら、まず届けなければならないところは、
区役所郵便局、会社であれば、法務局税務署、でしょうか。

もし特許庁に手続きをしていたら、その中に”特許庁への手続き”も入れておくことをお勧めいたします。

 

かといって、特許庁の窓口にいって「引越ししました」といっても特許庁の職員さんは困ってしまいますので、それはどうぞお控えください。書類を作ってから窓口にいきましょう。

住所に関する2つの手続き

特許庁にしなければならない手続きは2つあります。
1つは、「氏名(名称)変更届」で、もう一つは「登録名義人の表示変更登録申請書」です。

 

氏名(名称)変更届

氏名(名称)変更届は、識別番号の住所を変更する手続です。

識別番号とは、手続きする方を特許庁が一括して管理する番号です。
特許庁へ手続きをしたことがない方には付与されませんが、一度でも特許出願、商標出願等をすると、識別番号が付与されます。

例えば、初めて特許出願をすると、その特許願に記載されている【住所又は居所】と【氏名又は名称】を使って一つの識別番号が付与されます。

識別番号は便利なもので、付与されれば、その後新しく特許出願や商標登録出願をする場合に【住所又は居所】を考えずに手続することができます。(識別番号を記載します)

この識別番号の住所を変更するのが氏名(名称)変更届です。

 

 

登録名義人の表示変更登録申請書

登録名義人の表示変更登録申請書は、特許庁の原簿に登録された住所を変更する手続です。

出願をして特許(登録)されると、その内容について出願された情報を特許庁が原簿に登録します。

特許庁に登録原簿の見本がありますので、ぜひご参照ください。
https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/touroku/genbo_mihon.htm

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特許庁HP 登録原簿・登録証の見本より引用

登録はいつされたか、維持年金は支払われているか、誰に権利を移転したかなど様々な情報が記載されています。
普段あまり目にすることはありませんが、特許庁では、登録された案件をこのように一つ一つ原簿に記録していきます。

この原簿に登録された住所を変更するのが登録名義人の表示変更登録申請書です。

2つの手続きは必須?

このように特許庁では手続した方の住所について2つの場所で記録されています。

 

よく「住所が変更されていないと特許庁からの重要な書類が届かない」と言われますが(もちろんそれも重要です)、もう一つ落とし穴があります。

例えば、昨年初めて「商標A」を登録しました。そのとき識別番号が付与されますが、今年新しく出願しようと思ったときに識別番号を忘れて、【住所又は居所】を記載して「商標Aのロゴ」を出願したとします。

もしその住所が間違っていたり、異なる住所だと、特許庁に新しい出願人と判断されてしまいます。
そうすると、「商標A」が別の権利者の商標とみなされ、新しく出願した「商標Aのロゴ」が登録できないと言われてしまいます。

また、識別番号の住所だけを変更しても、原簿の住所と異なっていると、やはり同じようなことが起きます。

 

登録できないといわれたときに対応することもできますが、最初から変更しておけばその手間も省けるので、できれば住所が変わった際には、「氏名(名称)変更届」と「登録名義人の表示変更登録申請書」(登録されているものがあれば)を2つしておくことをお勧めいたします

氏名(名称)変更届

氏名(名称)変更届の書き方については、特許庁HP「出願の手続」の第一節 申請人登録に関する手続に記載されています。

https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/syutugan_tetuzuki.htm

jyuusyo

特許庁HP「出願の手続」の第一節 申請人登録に関する手続

Wordなどを使用して、様式通りに記載し、新住所又は新居所等を書いて、印鑑を押して特許庁に提出します。(自分自身でする場合には、2代理人の項目は必要ありません)

登録名義人の表示変更登録申請書

登録名義人の表示変更登録申請書の様式は、特許庁HP「納付書・移転申請書等の様式(紙手続の様式)」の2. 移転関係様式に記載されています。

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/touroku/touroku_yousiki.htm

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特許庁HP「納付書・移転申請書等の様式(紙手続の様式)」の2. 移転関係様式

こちらもWordなどを使用して、様式通りに記載し、必要事項を記載の上、印鑑を押して特許庁に手続きをします。
こちらは1案件ごとに1000円の収入印紙が必要となります。また、特許、実用新案、意匠、商標ごとに様式がありますので、必要なものを選択して作成してください。