IPCで自分の発明分野を調べてみよう①

みんなはどんな発明を考えているのか?

特許出願するにしてもしないにしても、自分がかかわっている技術分野でどんな発明があるのか気になりますよね。

 

原則的に特許出願は、出願の日から1年6か月は公開されないので、最新の技術というわけではないのですが、自分の技術分野がどのように発展してきているのかを知ることは興味があるのではないかと思います。

 

また、もし特許出願するようであれば、他の人がどのような発明をどのように書いて出願しているのかの参考になるかもしれません。

 

今回はIPC(国際特許分類)の中で、自分の技術分野がどこに分類されているのかを調べてましょう!

IPC(国際特許分類)の復習

前回のブログで書きました通り、国際特許分類(IPC)は、多くの特許技術文献を8つの概念に分類するものです。

 

Aセクション 生活必需品
Bセクション 処理操作;運輸
Cセクション 化学;冶金
Dセクション 繊維;紙
Eセクション 固定構造物
Fセクション 機械工学;照明;加熱;武器;爆破
Gセクション 物理学
Hセクション 電気

 

この下位概念に、さらに技術分野が分類され、その下位概念にさらに分類され、そのまた下位概念に分類され、…ここから見つけるのはなかなか大変そうですね。(汗)

J-Plat-Patのキーワード検索を使う

c_logo_system

※J-PlatPatは特許庁の特許情報プラットフォームの名称です。

 

今やパソコンでキーワードを入れれば何でも検索される時代。
特許庁のJ-Plat-Patもしっかり作られていて、IPCの数々の分野から入力したキーワードが含まれる分類を抽出してくれます。

 

IPCのキーワード検索の手順は、

  1. 特許・実用新案のメニューから「5.パテントマップガイダンス」をクリックします。
  2. 表示されたページの真ん中にある「キーワード検索」タブをクリックします。
  3. 照会画面は「IPC第8版」を選択して、キーワードを入力して、表示種別を「ターゲット表示」にします。

 

ipc1

 

ipc2

入力が終わったら、検索ボタンをクリックすると入力したキーワードが含まれる項目一覧の検索結果がページ下に表示されます。

実際にやってみましょう!

それでは、実際にやってみましょう。

 

最近寒くなると、どうもなかなか布団から出られません。目覚し時計にもっと工夫したものがあれば。。。

ということで、今回は「目覚し時計」がIPCでどこに分類されているかを調べてみます。

 

まずはキーワードを入力して、検索ボタンをクリック。
そうすると、このような結果が出てきました。

※ちなみに、”同一”の文字列だけしか検索できませんので、「目覚まし時計」と入力すると検索されません。検索されなかったら別の言い方や言葉で何度もトライしてみてください。

ipc3

「目覚し時計」は、IPCでは、G04B23/02という番号で分類されているんですね。

なお、この検索結果中にある「・」は階層を表しています。

 

大概念
・中概念
・・小概念
・・小概念
  …
・中概念
・・小概念
  …
・中概念
 …

 

のようなイメージですね。小概念が深ければ深いほど、その技術分野は細分化されているということになります。

 

今回「・目覚し時計」となっていますので、目覚し時計の技術が何かの下位概念であるということが分かります。

そこで、記号をクリックしてみてください。そうすると階層が表示されると思います。

ここからすると、

ipc4

・G04B 機械的駆動の時計または携帯時計;時計…
・・23/00 あらかじめ選定された時刻に聴覚的信号を発生する装置
・・・23/02    ・目覚し時計

 

というような階層になっているんですね。
ちなみに、
Gセクションは、物理学
G04は、時計
です。目覚し時計が物理学のセクションに分類されているとは。

 

よく見ると、「目覚し時計」にはさらに下位概念があることがわかります。

目覚し信号停止装置や目覚付懐中時計または腕時計などの技術はさらに細かく分類されています。

 

ということで、目覚し時計の技術分野はIPCの中で「G04B23/02」に分類されているということがわかりました。

 

次回、IPCで自分の発明分野を調べてみよう②で、実際にどのような発明が出願されているのかを見てみます。