いろいろな人物が繰り広げる知的財産なストーリー
そういえば、特許や意匠、商標にかかわる登場人物を紹介することを忘れていた気がします。イメージがあれば何かと理解しやすいかもしれませんね。
少し物語風にまとめてみましたが、特許庁は普通に官公庁ですし、職員の方は優しく親切です。(汗)くれぐれも誤解のないように。
特許庁 |
言わずと知れた霞が関の南端、虎ノ門にある城。(官公庁です。)
「特許庁」の石標の後ろに堂々と聳え立つ大きな城壁。門では警備員が訪問者を常に監視し、行先と所持品の確認が行われ、問題ない者だけが通行手形(通行証)を手にして門を潜ることができる。(手続きをすれば普通に入れてくれます。くれぐれも刃物などは持ち込まないように。)
城の内部も壁で固く閉ざされ、訪問者が内部の状況を知ることが一切許されない、堅牢な雰囲気を醸し出している。(守秘義務がありますから。しっかり守られています。)
さらに内部に進むと、そこには門を通れた人だけが見ることできる別れ道がある。日本なのか世界なのか、初めての訪問者はここで迷うことになる。(右が国内手続き、左が国際手続き、それだけです。)
そして一方を選び進んでいくと、特許庁の職員の方が優しく手続きの対応をしてくれます。 |
出願人 |
知的財産にかかわる主人公的存在。
発明や意匠、商標に関する手続きの主体となる立場で、自然人と法人がなることができる。
なお、個人事業の場合は屋号ではなく事業主自身が一個人として出願人となる必要がある。また、個人であっても、未成年者の場合はその親に特許庁への出陣を認めてもらえなければ出願人になることができない等の条件がある。
出願人は、特許庁で知的財産が登録されれることで、権利者に生まれ変わることができる。(生まれ変わるというか出願人は権利化後の権利者となります。) |
発明者・考案者・創作者 |
本気で発明・創作に取り組み、新しい道を開拓した大切な登場人物。
技術を発明をした者を発明者(特許の場合)、技術を考案した者を考案者(実用新案の場合)、デザインを創作した者を創作者(意匠登録の場合)と呼ぶ。
発明、考案、デザインをするのは”人”なので、これらは必ず人である必要がある。
なお、商標出願ストーリーにはこの役回りはない。 |
審査官 |
訪問者から申請された書類を精査し、権利化できない理由を洗い出す特許庁の職人。(審査をする職員さんです。)
もし権利化できない理由を見つけた時には、拒絶反応を起こし、その反応が起こった理由を紙面に書いて送ってくる。(拒絶理由通知書というものが送られてきます。)
出願人は何度かその拒絶を抑える方法を伝えることができ、拒絶の反応が出なくなると権利化への道しるべを(登録査定)通知してくる。
しかし、拒絶の反応が収まらないと完全に拒絶する。(拒絶査定) 権利化するための第一の関門。大きな壁であることは間違いない。 (「拒絶」って言葉は強いですが、単純に権利化できない理由がありますよということです。) |
審判官 |
審査官の上官。 事件が起きると何人かで一つのグループを作って議論する。(合議体といいます。一個人ではなく何人かで考えようということです。)
例えば、審査官に完全に拒絶されてしまった場合などに、そんなに拒絶するものではないことを再度議論してもらうことができる。(拒絶査定不服審判といいます。)
審査官に完全に拒絶された場合には、最後の希望となる存在である。(ただ、新たに特許印紙代が…。) |
代理人 |
ある時は出願人や発明者の相談をとことん聞き込み、ある時な審査官の拒絶の反応に共に立ち向かう人物。(弁理士が主ですが、特許業務法人もあります。)
発明者が新しく切り開いた道を陰から援助する存在。 |
他にも法律に登場する人物がいますが、ひとまず主な登場人物でした。
※なお、写真はイメージです。