これまでに出願された特許技術を見てみましょう
今回は、前回の「IPCで自分の発明分野を調べてみよう①」で調べたIPCを使って、これまでに出願された特許技術を実際に調べてみましょう。
自分が考えたような特許技術はすでに考えられてるでしょうか?
でも、もしすでに考えられてたとしても、その技術を応用してさらに新しい技術を発明すれば、それは特許の対象となります。
まさにそれこそ特許法第1条「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」ですね。
IPCについてお知りになりたい方は「国際特許分類(IPC)」をご覧ください。
今回もJ-PlatPat
それでは、検索していきます。
①サイトを開いたら、まず特許・実用新案のメニューから「4.特許・実用新案分類検索」をクリックします。
②検索対象は大きく分けて特許と実用新案がありますが、今回は特許関連で調べてみます。
「種別」で「特許(特開・特表(A)、再公表(A1)、特公・特許(B))」と「特許発明明細書(C)」を選択してください。
③つづいて「分類指定」の「IPC(最新版)」を選択してください。
④最後に「検索式(必須)」に前回調べた「G04B23/02」を入力します。
最後に、下の方にある「検索ボタン」をクリックすると…
ヒット件数401件(2015.12.22現在)
となりました。
この技術分野には特許において401件もの特許出願がされているんですね。
※なお、検索結果の上に「IPC(最新版) → FIコンコーダンス検索式」なるものが表示されますが、この"FI"というコードを使用するとさらにピンポイントに技術を抽出できるようになります。
それでは技術分野を見てみましょう。
昔々あるところに、特許発明がありました。。。
さてさて、401件の特許技術をスクロールしていくと、いろいろな技術が出願されているようですね。
2015年…2007年…2000年……平成…昭和?…54…33…明治?!
なんと、明治時代に出願された案件まで閲覧することができます。
一つの技術を調べるだけでも、歴史を感じることができます。
401件目に検索された「特明6874」は、明治35年8月31日に出願されたもののようです。
明治35年というと西暦1902年、日露戦争の前でしょうか。そのころから既に目覚し時計について発明をされていた方がいるのですね。
日本史の教科書に出てくるような時代に、熱心に技術の発展に寄与された方たちがいることを思うと感慨深くなります。
それにしても、読めません。(笑)
さすがに時代を感じますね。
ちょっと豆知識
明治35年には、今でいう「特許法」というものがありませんでした。その時代には「専売特許条例」という、現代の特許法の前身となる制度が設けられており、その制度の下、特許出願を行っていたようです。
専売特許条例では、特許公報のことを「特許発明明細書」と呼んでいたようで、実は、今回、昔の技術も閲覧できるように「種別」で「特許発明明細書(C)」を選択して頂きました。