商標の条件1

商標選択の自由

数十年前「職業選択の自由~♪」というようなCMがありましたが、確かに選ぶことは自由ですが、選ばれることは、そこまで自由ではなさそうですね。
例えば、私たちのような知的財産業務の代理人になりたいと思っても、資格試験に合格して、弁理士登録しないとなれません。

商標も、商標を決めることは自由ですが、登録するためには条件を満たす必要があります

商標法第3条柱書

これは商標法第3条に記載されている「商標登録の要件」と題された条文です。

 

(商標登録の要件)
第三条  自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
一  その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
二  その商品又は役務について慣用されている商標
三  その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。第二十六条第一項第二号及び第三号において同じ。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
四  ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
五  極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標
六  前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標

 

しっかり読んで頂くと細かく内容を把握できると思いますが、軽く読み飛ばして頂いても十分です。
つまり、
特徴のある商標であれば登録できる
ということです。

 

登録される条件1-特徴のある商標

特徴のある商標、つまり普通に使用されているような商標でなければ1つ目の条件を満たすことができます。(2つ目の条件は改めて)

 

よくよく考えてみるとそうですね。商標の機能として、「識別機能」があります。一般的な普通の名称は根本的に識別能力がありません。(他のものと区別がつきません)

 

つまり、普通の名称は商標とならないので登録できず、特徴のある商標は識別力があるので登録できるということになります。

それにしても普通って?

普通か普通でないかの判断をする基準として、「指定商品・指定役務に記載された業界において」が基準となります。

 

商標審査基準に掲載されている例としましては、以下のように記載されています。

商品「時計」について、「時計」の商標
役務「美容」について、「美容」の商標

 

この例からイメージできると思いますが、業界で普通に使用されている名称は「普通」となります。

このことからスマートフォン"iPhone"で有名な「Apple」が商標登録できる理由もイメージできるかと思います。

 

 

商標を決める第1ステップとして、

特徴のある商標を考える

ということを頭に入れておいて頂くと良いと思います。

 

「Apple」のように他の業界で普通の名称を取り入れたり、商品のイメージから造語を作るなどすると良いかもしれませんね。